2010/01/27
【ダボス(スイス)=共同】国際労働機関(ILO)は27日、2009年の世界の失業者数が推計で前年比2660万人増の2億1150万人、失業率は0・8ポイント上昇の6・6%と、いずれも比較可能な統計がある1991年以降最悪を更新したとの報告書を発表した。失業者数の2億人突破は初めて。08年に深刻化した金融危機の影響が世界的に拡大、雇用減少につながったのが最大の要因。
報告書は10年も世界の雇用状況は厳しく、失業率は6・5%、失業者数は2億1340万人前後の高水準が続くと予測。ソマビア事務局長は「雇用なき景気回復を避けることが優先事項だ。銀行を救済した際に適用したのと同等の政策的決意で雇用を維持、創出して家計を助ける必要がある」と訴えた。
09年の失業率は特に若年層が深刻で、前年比1・3ポイント上昇の13・4%に跳ね上がった。全年代の男女別では、男性の失業率が0・7ポイント上昇の6・3%だったのに対し、女性は0・9ポイント上昇の7・0%に達した。報告書は「女性や若年層が労働市場で不利な立場に置かれている」と指摘した。
地域、経済発展段階別では、欧州連合(EU)の全加盟国を含む先進国で8・4%と2・4ポイントの急上昇。ロシア、旧ソ連の非EU地域が2ポイント上昇の10・3%、中南米が1・2ポイント上昇の8・2%と軒並み大幅悪化した。
発展途上国では北アフリカや中東が9%を超える高率が続いた半面、東アジアや東南アジア地域は4~5%台で、上昇したものの比較的安定した動きにとどまった。
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