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【三重】失業者を「啓発隊」に 高齢者の輪禍防止に県警雇用

2009/10/10

 ゲートボールやカラオケ大会、どこでも行きます-。県警は不況で失業した人を雇い、高齢者の交通安全に絞った啓発隊として“出張”してもらう全国でも珍しい取り組みを始める。三重は交通事故死者に占める高齢者の割合が全国平均より1割高く、失業者対策との一石二鳥の効果を期待している。

 啓発隊は12月から来年3月末までの期間限定で16人を雇用。警察官から高齢者の“教官”となるための研修を受け、4グループに分かれて広報車で巡回する。啓発チラシを配り、特に事故の多い夕暮れ時の横断や、自転車に乗る際の注意事項を説明する。事故の一因である身体機能の低下についても理解してもらう。

 出張先は高齢者施設や、老人クラブなどから情報を得て、お年寄りが参加するゲートボール大会などにも行く。

 県警は緊急雇用対策事業として、県議会定例会に3100万円の補正予算案を提出している。

 県内のことし9月末の事故死者75人のうち半数以上が高齢者。県警交通企画課は「高齢者の事故原因はマナー違反ではなく、不注意が多い。継続的に広報することで効果が出る」と話している。

 (鈴木龍司)