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【社会】失業率改善5.5% 8月、求人は0.42倍でなお最低

2009/10/02

 総務省が2日発表した8月の完全失業率(季節調整値)は5・5%となり、過去最悪だった前月から0・2ポイント改善した。失業率の低下は7カ月ぶり。また、厚生労働省が発表した、求職者1人に対する求人数を示す8月の有効求人倍率(同)は、前月と同じ過去最低の0・42倍だったが、15カ月ぶりに下げ止まった。

 企業の生産活動の回復などを受けて、雇用環境の悪化に歯止めがかかる兆しも見えてきた。しかし、円高やデフレ懸念など企業収益の下押し圧力は強く、もう一段の悪化も想定され、政府は「依然として非常に厳しい状態にある」(総務省幹部)と警戒を緩めていない。

 業種別では、製造業で働く人が前年同月から112万人と大幅な減少が続いており「派遣切り」や「雇い止め」で大量に失職したことが影響したとみられる。ただ、医療や福祉の分野で40万人増と増加ペースが上がったほか、飲食サービス業などで17万人増えるなどし、失業率の改善につながった。

 求職中の失業者を示す「完全失業者」は361万人で、前年同月より89万人増えたが、増加幅は前月の103万人より縮まった。失職の理由別では、企業倒産など勤め先の都合が124万人と最も多く、自己都合は111万人だった。