2009/07/31
2人乗りや居酒屋帰りのフラフラ走行、携帯電話をかけながらの片手運転…。三重県警は全国で初めて、自転車の交通ルールやマナー違反がどれだけあるか調査を始める。県の緊急雇用対策事業の一環として、失業した人たちを調査員に雇う。9月から調査を開始し、本年度中に結果をまとめる。
県警によると、違反を見つけたらその場で検挙する自動車とは違い、自転車に特化した違反の調査資料などは警察庁にもない。道路の右側を走ったり、傘を差しながら走ったり、2台以上並んで走ったりするのも道交法違反で処罰の対象。しかし実際は、逃走などしない限り「警告」で済むことが多く、同県警の違反検挙も2007年の信号無視の1件を最後に、ない。
一方で、自転車が当事者となる交通事故は後を絶たない。同県内の交通事故による死者数は1999年の204人から、08年の110人に半減したが、自転車に乗っていて亡くなった人は、ともに16人と変わっていない。08年の自転車の人身事故は1590件と、10年前に比べ10%以上増えている。
県警は、ハローワークを通じて失業や派遣切りに遭った人たち9人の採用を決め、県内全域の180カ所で調査を行う。既に県交通安全協会に事業を委託。調査で、検挙数に表れない違反の実態を把握すると同時に、違反者にパンフレットを配るなどの啓発を行う。自転車横断帯がない場所など危険個所の洗い出しも進める。
三重県警交通企画課は「車に比べて自転車の事故対策は遅れている。今後の違反の取り締まりや啓発活動に、調査結果を活用し、事故を減らしたい」と話している。
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