2009/07/31
県看護協会は、結婚などで離職した看護師資格がある人の再就職を支援しようと研修を開いている。経験者に復帰してもらい、現場の人手不足解消を図る狙いだ。
研修は、県の委託事業として始まり三年目。受講料は無料。研修を通じ、現場から遠ざかっている人たちに仕事の“勘”を取り戻してもらう。
病院で一週間ほど医療機器の扱いや採血など基本技術を学ぶ。二〇〇七年度は十九人、〇八年度は二十三人が受講し、平均年齢は三六・六歳。ほぼ全員が復職した。
受講した津幡町の女性(33)は約五年間の離職期間の後に、自宅から車で二十分の浅ノ川総合病院(金沢市)に採用された。幼稚園に通う長女(5つ)と長男(2つ)がいるため、勤務は午前九時から午後二時まで。希望が通って復職がかなった。
女性は「休んでいる間に医療のレベルが高くなった。でも皆さんがすごく楽しそうに働いている。頑張らなくてはいけない」と自分に言い聞かせる。
しかし、協会によると、病院側は夜勤ができる人を求めることが多い。また、離職期間が長いと、高度医療への対応が難しくなる。勤務時間、職域が限られる人が多い再就職だけでは、看護師不足の解消は難しい。
協会は今後、看護師が辞めずに働き続けられる職場づくりにも力を注ぐ。和田出静子会長は「研修の受講者は増えており、これからも続ける。病院内に保育施設を設けるなど子育て支援に取り組んでいる事例を協会のホームページと広報誌で紹介していく」と強調し、「短時間勤務でも正職員になるよう運動もしていく」と話す。 (山本義久)
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