2009/06/09
「助かった」。名古屋市緑区の男性(47)は5月下旬に受給を申請し、今月に入って「保護開始決定通知書」を受け取った。今は宿泊施設に身を寄せる。
市近郊の派遣会社で土木作業に従事していたが仕事がなくなり、3月下旬に寮を出てから友人宅や公園を転々としていた。申請時の所持金は30円。2日間、何も食べていなかったという。
男性は「生活保護で金がもらえるのはうれしい」と話す。だが、腹が満たされると、張り合いのない生活だと感じるようになる。仕事で汗をかいた後、部屋で飲む缶ビールの幸せも、ずっと味わっていない。働こうにも仕事がないからだ。
「経済がそうなっているから。もともと人生はこんなもの。資格を取ったり貯金をしたり、ちゃんとやっていれば…」と自分を責める日々が続く。
男性は今、無料の求人誌をめくり、公衆電話からかけ続けている。
名古屋市中村区のハローワーク名古屋中では、9日も大勢の求職者が列をつくった。
同市の男性(40)は愛知県内のトヨタ系工場で派遣社員として働いていたが、1月末に契約を打ち切られた。それから4カ月以上、仕事はない。「職が少なく、選ぶどころじゃない。このままではアパートも出るしかない」
生活保護が頭をかすめることもあるが、やはり働いていたい。「どんな職種でも長く勤められる仕事を見つけたい」と話した。
同ハローワークの大村賢一次長は「年末から比べれば少し落ち着いたかとは思うが、底打ち感はない」と分析。「エコカーが好調というが、下請けや物流関係までは波及しておらず、求職者が増え、求人が減る状況に変わりはない」と現状の厳しさを指摘した
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