中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【富山】富山市シルバー人材センター 不況で入会者大幅増

2009/05/21

 高齢者の健康増進や生きがいづくりを目的に、臨時や短期の仕事を提供する富山市シルバー人材センターの今年四月の入会者が、昨秋からの不況の影響で大幅に増えている。センターは増加した人材を生かし、本年度から始めた地域に密着したボランティア事業を進めるとともに、センターの活動を周知して受注拡大を目指す。

 センターの会員は六十歳以上の市民。それぞれの能力や経験を生かし、清掃や剪定(せんてい)、障子の張り替えなど幅広い仕事を請け負う。ここ数年間は四月の入会者は百人前後だったが、四月には前年の一・七倍の百七十一人が入会。今月十九日時点で二千三百四十一人が登録している。

 センターによると、景気の低迷で再雇用されなかったり、ハローワークで仕事が見つからなかったりして入会してくる人が増えたという。

 本年度からセンターでは、子育てを支援する目的で「親子の広場-シルバーにこにこルーム」と介護施設などを訪問する「元気おとどけ隊」を始めた。どちらも会員がボランティアで行う活動だ。

 にこにこルームの一回目となった二十日、同市牛島町の同センター本所には約二十人の家族が集まり、会員と一緒にバルーンアートに挑戦した。会員の小竹タミ子さん(74)は「子どもが大好きなのでこちらまで元気をもらえる」と笑顔。今後も市内各地でおもちゃ作りなどをして、子育てについて情報交換する場をつくる。

 高齢化や景気の影響で、今後も会員の増加が見込まれることから、センターは「新たな事業を通して地域のニーズに応えたい。センターのことを地域の人に知ってもらい、仕事の受注にもつなげられたら」と期待している。 (渡辺ゆり)

子ども連れの家族とシルバー人材センターの会員がふれあう「シルバーにこにこルーム」=富山市牛島町の市シルバー人材センターで
子ども連れの家族とシルバー人材センターの会員がふれあう「シルバーにこにこルーム」=富山市牛島町の市シルバー人材センターで