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やってみました 記者たちの職業体験ルポ かぶりものキャラ

2009/05/14

15分だけでくたくた

 テーマパークなどでおなじみのかぶりものキャラクター。忘年会の余興などで意外とコスプレ好きの記者。田原市に赴任直後、同市の農業公園「サンテパルクたはら」に人気ご当地キャラがいると聞き、挑戦を願い出た。
 人気キャラに扮(ふん)するのは同公園職員。多くの人でにぎわうゴールデンウイーク中は大切な仕事だ。かぶり役の職員木村勇人さん(39)の案内で対面したのは乳牛の「モーくん」。愛らしい目と触りたくなる鼻輪が特徴だ。「観光キャンペーンやイベントで活躍してます。大変ですがね…」

 木村さんのサポートで手足や胴体を身に着ける。記者の身長は一八四センチ。だが、モーくんの規格は身長一六五センチほど。手足の生地が短くて記者の手首などは丸見えだが、なんとか愛らしい動きでカバーしよう。最後に直径約七十センチの頭部をかぶって準備完了だ。

 早速、木村さんの助けで屋外へ。人通りの多いサラダ館の前に立つとすぐに子どもたちに囲まれた。「すごーく大きい」。頭部を足すと身長は二三〇センチ近い今日のモーくん。普段と違う人間が入っているからと言って怖がられては駄目だ。手を振って必死に愛嬌(あいきょう)を振りまいた。

 子どもの反応をうかがうも鼻輪と口の部分からかろうじて外が見えるだけ。直後に「しっぽを取られないようにして」と木村さんにささやかれるも時すでに遅し。後ろに回り込まれた子どもに何度も引っ張られていたずらされた。モーくんだけにしゃべれないし怒れない…。

 終盤は写メール撮影にも何とか応じられた。わずか十五分。モーくんはくたくたになって引き揚げた。かぶりものを脱ぐと、Tシャツは汗ばんでいた。

 「真夏なら着続けると一日で三キロほど体重が落ちることもある」と木村さん。たとえホルスタインでもキャラクターになりきるのは大変な稼業だと実感した。(藤原哲也)

 【メモ】公園管理事務所に勤務する市職員が交代でかぶる。かぶり役のアルバイトは募集していない。市職員に採用され、サンテパルクたはらに配属されれば機会がある。夏の暑さに耐えられる体力が必要だが、子どもの夢を壊してはいけない自覚が大切。同園ではモーくん以外にも豚のトンキーくん、ニワトリのケッコーちゃんの計3匹が在籍する。

子どもたちに囲まれて握手する藤原記者が入ったモーくん=田原市野田町のサンテパルクたはらで
子どもたちに囲まれて握手する藤原記者が入ったモーくん=田原市野田町のサンテパルクたはらで