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【雇用崩壊】ブラジル人学校の就学“アシスト” サッカーチームが試合で募金

2009/04/14

 不況のあおりで親が職を失い、学費を払えずにいる在日ブラジル人学校の子どもたちに、日本フットボールリーグ(JFL)に加盟する滋賀県草津市のMIOびわこ草津が支援に乗り出した。今シーズンのリーグ戦ホーム試合で入場者に募金を呼び掛け、学校に全額寄付。子どもの就学を“アシスト”する。

 MIOが支援するのは同県愛荘町のブラジル人学校「サンタナ学園」。同校によると、1年前には生徒100人が通っていたが、現在は50人に半減した。親の多くは県内の工場で非正規労働者として勤めていたが、雇い止めが相次ぎ、子どもは退学を余儀なくされた。学費が払えないまま学校に残っている子どもも半数を数える。

 MIOは11月までのリーグ戦ホーム開催の17試合で、試合前後やハーフタイムにサポーターから寄付を募ることを決めた。先月、大津市の競技場であったホーム開幕戦で、下部チームの選手らが呼び掛けたほか、和田治雄監督(39)が「ブラジル人の子どもたちを助けてください」とスタンドに訴えた。

 1試合で4万6000円が集まり、今月3日、チーム関係者が同校に寄付した。中田ケンコ校長(52)は「教師の給料も十分払えず苦境が続いていた。協力に感謝したい」と話した。寄付は学校の運営費に充てるという。

 チーム唯一のブラジル人、アラン選手(20)は「チームが勝ち続ければ、観客も増えて活動が広がる。プレーで支援したい」と、奮起を誓った。

ホーム開幕戦で集まった募金を中田ケンコ校長(右)や子どもたちに手渡すMIOのアラン選手=滋賀県愛荘町で
ホーム開幕戦で集まった募金を中田ケンコ校長(右)や子どもたちに手渡すMIOのアラン選手=滋賀県愛荘町で