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【雇用崩壊】「婚活」に活路 経営悪化派遣会社が「結婚予備校」

2009/04/12

 愛知県稲沢市の人材派遣会社が11日、名古屋市中村区のビル内の貸しスペースに「結婚予備校」を設立した。景気悪化による「派遣切り」で本業だけでは厳しくなり、派遣社員のスキルアップなど人材派遣で得たノウハウを生かし、「婚活」(結婚のための活動)ブームに着目、新たな活路を見いだす。

 結婚予備校を開いたのは筧(かけひ)一己さん(46)。筧さんが社長を務める稲沢市の会社では、約300人を派遣していたが昨年秋以降、製造業を中心に約200人の契約を打ち切られた。

 これまで派遣社員たちにあいさつや接客などの講座を受けさせた経験から「婚活」に絡めればビジネスチャンスがあるとみて、社員らとともに予備校設立に向けて準備してきた。

 予備校は独身男女に身だしなみや食事のマナー、料理などの講義を月2回、計12日間行う。同じ会場で男女が学び「出会いの場」にもつなげたいとしている。

 受講料は30万円と高額だが、既に20-40代の男女33人から申し込みがあった。“新入生”たちは11日に早速、歩き方や立ち方、豊かな表情をつくる顔の筋肉のトレーニングに取り組んでいた。

 筧さんは「これまで人と会社を結びつけてきたが、今度は人と人を結びつけたい」と思いを語った。