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【愛知】カレー対決で新入社員結束 西区の企業研修

2025/04/05

チームで調理や看板作り、離職防止に

 西区花の木3のアパレルメーカー「クロスプラス」が、新入社員の研修にカレー作りを取り入れている。チームで対決する形式で、企画の立案や調理などを通して短期間で関係性を深めてもらう狙いがあり、早期離職の防止にもつながっている。(大野沙羅)

 「カレーをカップに入れたらおしゃれだよね」「食べやすいし」。4日、同社の一室。新入社員38人が四つのチームに分かれ、チームごとに考えたカレー屋のコンセプトを基に調理や看板作りなどに取り組んだ。

 調理を担当したのが営業など総合職のメンバー。デザイナーなど専門職のメンバーは看板作りなどに取り組んだ。カレーは先輩社員に振る舞い、投票で優勝が決まる。「やるからには優勝できるものを」。デザイナー採用の田中愛友さん(21)ははにかみつつ、チームのメンバーと一緒に手を動かした。

 同社が新入社員研修の内容を大きく変えたのは2023年度だ。人事部労務課長の菅沼賢二さん(51)によると、22年度まで新入社員研修は入社後2週間が座学中心で、ビジネスマナーや心構えを指導してきた。だが、実になっているのか実感できず、記憶に残りやすい体験型研修のカレー作りを取り入れることにした。

 カレー作りは予算内で原価率を考慮した価格設定や材料、接客の仕方などをチームで協力して考える。職種を超えて協力することで「仲が深まり、悩みを共有できる相手を増やす機会になる」と菅沼さん。同時に商品企画力や営業力も育める、としている。

 体験型研修の導入前は総合職・専門職の入社1年以内の退職率が5~10%で推移していたが、23~24年度は2年連続でゼロを達成したという。

 新入社員にも好評だ。山辺美咲さん(22)は「同期に話せる人ができて安心感がある」と笑顔を見せ、岡村優志さん(22)は「高校の時はコロナ禍で文化祭の調理ができなかったので、大人の文化祭のよう。いろいろな人と話せて良い研修」と話した。

協力してカレーを作る総合職の新入社員
協力してカレーを作る総合職の新入社員
専門職の新入社員はカレー店の看板作りなどを担当した=いずれも西区花の木3のクロスプラスで
専門職の新入社員はカレー店の看板作りなどを担当した=いずれも西区花の木3のクロスプラスで