2021/12/10
経済産業省が賃上げした中小企業を支援するため、既存の補助金に新たな採択枠を設ける。大企業に比べ赤字決算の多い中小企業は賃上げ税制の恩恵が及びにくいため、補助金による支援を拡大し、生産性向上に加え、さらなる賃上げも後押しする狙い。来年から公募する見通しだ。
採択枠を新設する補助金は、生産性向上のための設備投資を促す「ものづくり補助金」と、小規模事業者の販路開拓を支援する「持続化補助金」の二つだ。
ものづくり補助金では、新たに「回復型賃上げ・雇用拡大枠」を設ける。申請時に前年度事業が赤字かつ、従業員の給与全体を年間で1・5%以上増やすことなどが申請条件。認められれば、通常は設備投資額の二分の一である補助率を三分の二まで引き上げる。
一方、持続化補助金は赤字の事業者が賃上げや事業規模拡大に取り組む場合、「成長・分配強化枠」で申請できる。現行は補助率が三分の二で上限が五十万円だが、新設枠で採択されると補助率は四分の三で、上限は二百万円まで拡大する。
中小企業には新型コロナウイルスで打撃を受けたところも多い。経産省の担当者は新たな支援策で「業種を問わず苦境を乗り越える弾みにしてほしい」と話している。
転職・求人情報検索(名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県)はトップから