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【愛知】席固定せず 「上司と垣根低く」 退庁予定時間示し 残業削減

2019/10/18

岡崎市企画係 働く環境改革

 岡崎市役所の東庁舎五階にある企画課企画係では、個人使用のデスクをなくし、職員が自由に使う打ち合わせ用の共用テーブルだけにして働きやすい職場づくりに取り組んでいる。この「働きがい改革」が始まって約半年が過ぎ、仕事が効率的に進んで職員の残業時間が減るなどの効果が表れている。 (鎌田旭昇)

 企画課は現在、約10年ごとに更新されるまちづくりの総合計画策定作業に追われている。他自治体の先進的な取り組みを反映し、最新技術を持つ民間企業と連携した新しい制度の設計を考えている。

 職員は打ち合わせが必要となる機会が多く「打ち合わせ場所が足りない」との不満があった。そこで今年5月、職員の席を固定しない「フリーアドレス制」を導入。企画課長や副課長2人、企画係の職員六人の計八人分のデスクを撤去した。書類も最小限にし、職員間で重複する分は処分した。新たに縦2・4メートル、横1・2メートルの4人掛けデスク二つと、立って打ち合わせができるテーブルなどを置いた。家具メーカー「オカムラ」(横浜市)から無償提供を受けた。

 席が決まっていないため、同じプロジェクトを進める仲間同士で座ったり、上司が隣に座ったりする。打ち合わせや同僚への確認、上司への報告などの時間が短縮された。企画係の植手愛子さん(29)は「上司と話す機会が増え、垣根が低くなった」と話す。

 さらに職場改革で、退庁予定時間を各職員が使うパソコンにクリップで止めて掲示するようにした。退庁時間を示すことで、職員それぞれが抱えている仕事量を把握しやすく、上司による仕事の割り振りも行いやすくなった。企画課によると、昨年の5~8月と比べ、今年は1人当たりの残業時間が平均21・4%削減された。ほかの課からも導入を検討したいとの声が広がっているという。

フリーアドレス制導入後の企画係の職場
フリーアドレス制導入後の企画係の職場
導入前の乱雑とした職場=いずれも岡崎市役所で
導入前の乱雑とした職場=いずれも岡崎市役所で