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【暮らし】人をつなぐ「共用オフィス」 増える利用、広がる新しい働き方

2019/09/02

 さまざまな職業の人が集まり、それぞれの仕事をする「コワーキングスペース」(共用オフィス)が増えている。働く時間や場所を選ばないフリーランスや起業家らに重宝されているようだ。社外の人との交流や情報交換の場として、企業が自社内にスペースを設ける動きもあり、託児サービス付きの施設も登場している。

 オフィスや官公庁が集まる東京・永田町のビル17階。1330平方メートルの広々としたフロアに200席が並び、カフェやレストランもある。

 ヤフー社内に設けられたコワーキングスペース「LODGE(ロッジ)」。会員登録さえすれば、誰でも無料で出入りできる。平日の昼に訪れたところ、黙々とノートパソコンに向かったり、隣り合った人とランチを食べながら会話したりする人でほぼ満席だった。

 平日に加え、土、日曜も午前9時から午後9時まで開放。各席に電源やWi-Fi(ワイファイ)を備え、食べ物などの持ち込みも自由だ。2016年11月の開設以来、利用者数は延べ25万人を超えた。30~50代の会社員やフリーランス、起業家が多く、男女比はほぼ半々。平日は午後6時台の入館が目立つ。ヤフー社員で、運営責任者の徳應(とくおう)和典さん(46)は「会社員が終業後に来て、本業とは別の事業活動をしている。終身雇用が崩れ、兼業や副業をする人が増えていることの表れ」と話す。

 ヤフーの社員も自分の仕事や打ち合わせに利用。運営スタッフが定期的に開く交流会や講座では、外部の利用者と互いの仕事を紹介し合う。ここで出会った起業家グループの事業に、副業として参画する社員も出てきた。徳應さんは「もともとは、ヤフーの社員が社外の人と交流する機会を増やすのが目的だった。さまざまな知識や経験を吸収することを会社の成長につなげられれば」と期待する。

 横浜市の自宅で音楽制作会社を営む藤田アキオさん(62)は開設当初から利用する常連だ。スタッフの紹介でIT業界などの人と出会い、「全く違う業種の人から話を聞ける。ネットワークが広がり、新しい仕事のアイデアも浮かんだ」と喜ぶ。ウェブメディア運営会社に勤める猪俣唯さん(24)は週5日、ここに通う。会社は2年前に設立されたばかり。まだ会社としてのスペースがないためだ。偶然、隣に座った人に話し掛けられ仕事を依頼されたり、アプリ開発のノウハウを教わったりしたことも。「いつも違う人と顔を合わせるので新鮮な話が聞ける」と声を弾ませる。

 事業用不動産サービスのCBREによると、都内にあるコワーキングスペースは、昨年末時点で349施設、計約20万平方メートル。16年末から開設面積は倍増した。担当者は「職場に行かずに働くテレワークやリモートワークなど多様な働き方を認める会社の増加を追い風に、全国的にコワーキングスペースは増え続ける」と予想する。

 子どもと一緒にいながら働ける場を提供する例も。静岡県を中心にコワーキングスペースを展開するエニシアホールディングス(浜松市)は昨年8月、名古屋市瑞穂区のビル内に託児ルームを備えた施設「ママカフェ」を開設した。都内には同様の施設がいくつかあるが、東海地方では珍しい。月額980円で会員になれば、1時間につき500円で専門スタッフに子どもを預け、85席ある別階などで仕事ができる。

 まだ託児の利用はないが、育児中の従業員の働く場としての活用を検討している企業もあるという。店長の桑本裕樹さん(33)は「認知度を高め、商品モニターなどとして子育て中の母親を単発で雇いたい企業と、ママをつなぐスペースにもしたい」と力を込める。

 (平井一敏)

思い思いの場所で仕事をする利用者ら=東京都千代田区のロッジで
思い思いの場所で仕事をする利用者ら=東京都千代田区のロッジで