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【経済】がん治療と仕事の両立 64%「環境整わず」

2017/01/29

 内閣府が28日発表したがん対策に関する世論調査によると、現在の日本で、治療や検査で2週間に1回程度、通院しながら仕事を両立できる環境か聞いたところ「そう思わない」が29・3%、「どちらかといえばそう思わない」は35・2%で計64・5%に上った。2014年の前回調査に比べ1・2ポイント減。両立のため必要な取り組みとして、複数回答で「短時間勤務の活用」を選んだ人が52・6%と最多だった。

 がん患者の治療と仕事の両立を巡っては、昨年12月成立の改正がん対策基本法で事業主に患者の雇用継続に配慮するよう求めた。厚生労働省は仕事を続けているがん患者を32万5000人と推計。担当者は、安倍内閣が進める働き方改革の一環で「企業文化の改革や、企業と医療機関の連携に取り組みたい」と話す。

 両立できる環境と思わないとした回答者に理由を尋ねたところ「代わりがいないか、頼みにくい」21・7%、「職場が休みを許してくれるか分からない」21・3%、「体力的に困難」19・9%、「休むと収入が減る」15・9%の順となった。

 調査は昨年11月に18歳以上の全国3000人を対象に面接で実施。1815人が回答した。前回までの対象年齢は20歳以上。