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【地域経済】「野菜もう一品」で社員も会社も元気 日進・三幸土木がアワード優良賞

2016/11/26

 社員の健康を大切にすることで会社の成長を目指す「健康経営」に取り組む愛知県日進市の建設会社「三幸土木」が、厚生労働省の「第5回健康寿命をのばそう!アワード」で、生活習慣病予防分野の優良賞を受賞した。取り組みから2年、野菜摂取や減量で効果が出ており社員の意識も変わってきたという。(日進通信部・森若奈)

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 アワードは、健康増進に取り組む企業・団体を毎年表彰しており、これまで学生に朝食を取る習慣を身に付けさせる立命館大の「100円朝食」や、健康診断のデータなどを分析して社員や家族の健康に生かすデンソーが入賞。三幸土木は108件の応募から選ばれた。

 評価された健康経営は、2年前のシニア野菜ソムリエを招いたセミナーがきっかけ。セミナー前のアンケートで、社員の野菜摂取量は少なく肥満傾向が高め、喫煙者も多いといった課題が浮き彫りに。このため「野菜をもう1品プラス」を合言葉に野菜のおかずを紹介する学習会を継続。体重を毎日記録したり、禁煙に挑戦した社員に月2万円の補助金を出したりしてきた。

 今年7月のアンケートでは、工事部20人のうち15人が「野菜の摂取量が増えた」と回答。減量対象者12人のうち八人の体重が2キロ以上減ったという。参加した佐藤好三さん(61)は「今は肉より野菜の方がおいしい」。杉浦寿来(じゅら)さん(18)も「野菜ジュースを飲むようにしています」と話す。

 健康経営に取り組むことで業界の魅力を高め、若手の採用につなげる狙いもあり、木下力哉社長(53)は「(受賞で)改めて社員の健康を大切にするという企業の使命を認識した。健康経営は中小企業でもできる」と語った。

野菜のおかずの作り方を説明する木下社長(右)=愛知県日進市の三幸土木で
野菜のおかずの作り方を説明する木下社長(右)=愛知県日進市の三幸土木で