中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【地域経済】転換 ニッポンの雇用/1日4時間勤務 空き時間に副業可

2016/07/26

ゆったり職場宮古島に開設
名古屋のIT企業

 ウェブサイト制作のITベンチャー企業、タービン・インタラクティブ(名古屋市)は8月、宮古島(沖縄県宮古島市)にサテライトオフィスを開設する。同オフィスの勤務は1日4時間だけで、残る時間は副業やレジャーに活用することが可能。ストレスの少ない働き方を提案することで優秀な人材の確保を目指す。(小柳悠志)

 名古屋から那覇空港経由の飛行機で6時間。宮古島の使われなくなったフェリー乗り場ビルの一室(約60平方メートル)を、オフィスとして市から借り受けた。IT技術者を求めるタービン社と、現地の雇用創出を図りたい宮古島市の思惑が一致して実現した。

 本社とはネットを使った毎朝のテレビ会議で仕事を調整する。既に東京からの移住者ら20~30代の男女5人の採用が決定した。月給は12万円で仕事以外の時間は畑仕事や漁などの副業やダイビングに充てることができる。8時間勤務(月給24万円)を選ぶことも可能だ。

 IT系の人材の争奪戦は都市部で激化している。タービン社が宮古島にオフィスを設置した狙いも、地方の若者の力の活用にある。加えてUターンの地元出身者や新規の移住者を採用し「都会とは違う環境で、仕事の質を上げてほしい」という期待もある。オフィスの近くに共同生活ができるシェアハウスも用意し、3カ月間は光熱費を含めて無料で住むことができる。

 志水哲也社長は「離島という環境で、新たな仕事のアイデアが生まれるのではないか。地域の活性化の一翼も担い、社会貢献につながる」と力を込める。

 ネットを活用し、本社から離れた場所にオフィスを設ける働き方は「テレワーク」と呼ばれ、総務省が地方創生の一環で推進している。

タービン社が宮古島に開設したサテライトオフィス=同社提供
タービン社が宮古島に開設したサテライトオフィス=同社提供