2016/06/05
愛知労働局のハローワーク名古屋南と医療機関が連携し、精神障害者の就労支援に取り組むモデル事業が、今月から始まった。本人の希望や体調などの情報を共有し、就職活動に生かす。就職後も半年間は本人と企業側との間を取り持ち、職場定着を支える。本年度中に50人を支援し、50%以上の就職を目指す。
ハローワーク名古屋南は、医療法人静心会(豊明市)が経営する3病院のほか、鳴海ひまわりクリニック(名古屋市緑区)と協定を結んだ。
ハローワークの就職支援コーディネーターと医療機関の社会福祉士や精神保健福祉士らが「支援チーム」をつくり、対象者それぞれにケース会議を開いて情報を共有。履歴書の書き方や面接の練習をしたり、職場実習を提供したりして就活を支援する。
就職後は、定期的に訪問して相談に乗る。労働局職業安定課によると、精神障害者は体調が悪くても言い出せないなど、人間関係づくりが苦手な人が多い。
企業側も障害の特性や病状の理解が進まずに「変に気を使ってしまい、本人が疎外を感じてしまう例もある」(飯田真由美・地方障害者雇用担当官)という。
ハローワークに新たに求職を申し込んだ精神障害者は2015年度で5519件。身体、知的障害に比べて増加傾向にある。
鳴海ひまわりクリニック就労支援担当の牧野未佳さんは「これまでは医療スタッフがハローワークに同行するのが難しく、本人に任せていた。顔が見える関係になれば、困り事や希望を共有でき、つまずきやすい時期を支えられる」と期待している。
(奥田哲平)
転職・求人情報検索(名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県)はトップから