2016/03/08
日本医療政策機構は、働く女性が乳がんなどの婦人科系の病気になると、社会が被る経済的損失が年間6兆3700億円に上るとの試算をまとめた。
調査は昨年11月、20~60代で正規雇用の女性約2091人を対象にインターネットで実施。このうち1495人は健康な女性、残る596人は乳がん、子宮頸(けい)がん、子宮内膜症がある人。治療にかかった医療費や、病気による休業や仕事の効率低下に伴う損失がどれだけ出るかを分析した。
この調査で定期的に婦人科を受診しているのはわずか20%にとどまっており、婦人科検診に行ったことがない女性は27%に上った。機構は「婦人科受診や検診の重要性が認知されていない」とし、行政や企業に対し、女性の病気についての啓発活動強化や、検診を受けるように勧奨する制度を設けるよう促している。
調査によると、病気がある人の医療費は年平均約33万5000円。総務省の統計などから、64歳以下の女性就業者のうち婦人科の病気がある人の割合を、17%に当たる約423万人と推計。総額1兆4千200億円の医療費がかかると試算した。
一方、休業や病気による効率低下で賃金は平均で32・1%減額すると算出。平均給与を約364万円とした場合、損失額は1人平均約117万円で、全体で約4兆9千500円となった。
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