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【社会】「保育園落ちた」ブログ反響

2016/03/10

政府、「保活」実態調査へ

 子どもを保育所に入れられない怒りを投稿した匿名女性のブログ記事が大きな反響を呼んだことを受け、塩崎恭久厚生労働相は9日の衆院厚生労働委員会で、保育所に入所させるための保護者らの活動(保活)の実態調査を実施する考えを表明した。厚労省は有識者の意見を参考に調査手法を決め、年内にも実施、今後の子育て支援策に生かす方針。民間以外で初の公的な調査となる。

 保育所に子どもを入れるには、仕事などに追われて十分に保育できないことを保護者側が示す必要がある。受け入れを審査する各自治体は、勤務時間や同居する家族の有無などを点数化し、保育の必要度を測り、入所順位を決める。得点を稼ごうと、長時間勤務をしたり、育児休業を1年間取得せず早めに職場復帰したりする保護者が多い。

 質問した民主党の山尾志桜里氏は「保育園は求職中に入れるというが、実際は仕事が決まってないと入れない。決まっても入れるかわからない。そんな状態じゃどこも雇ってくれない」との保護者の声を紹介。ゼロ~3歳児の母親の3割が保活に奔走し、1割は勤務時間を延ばすなどしていたとの民間会社の調査結果も提示し、保活に関する全体像の把握を求めた。

 塩崎氏は「ポイント(得点)を上げるような苦労はなくすほうがいい。ぜひ実態調査はやりたい」と述べた。厚労省は保育所の待機数や利用状況は調査しているが、保活は調べてこなかった。(我那覇圭)