2016/01/23
10~12月期 26.8%、最高水準
日本政策金融公庫名古屋支店が22日発表した2015年10~12月期の中小企業動向調査によると、東海3県(愛知、岐阜、三重)で回答企業の26・8%が、経営上の最大の課題として「求人難(採用難)」を挙げた。11年以降で最も高い水準となっており、同公庫は「人手不足が深刻化し、経営の先行き不安につながっている」と指摘する。(石原猛)
調査は昨年12月半ばに、製造業で従業員300人(または資本金3億円)以下、小売業で同50人(同5000万円)以下の818社を対象に行い、355社(43・4%)が回答した。
同支店は東海四県(愛知、岐阜、三重、静岡)の従業員数人~10数人の小規模事業所1083社にも調査を実施。663社(61・2%)の回答があり、13・4%が「求人難」を最大の課題に挙げ、こちらも11年以降で最高だった。
小規模事業所の回答からは「3月に退職予定の人が補充できない」(自動車整備業)、「若い人材を確保できない」(飲食店)、「人件費が高騰して経費が増加している」(食料品小売業)など業種を問わず人手確保に苦労する状況がうかがえる。
中小企業で、自動車部品を製造するアサヒフォージ(名古屋市)の中村康夫専務は「今のところ工場の人手は足りているが、将来にわたって確保し続けるには難しい状況」と語る。主力工場がある岐阜県内に本社機能の移転を進めており、「地元に密着した採用活動を展開することで人材をしっかりと確保していく」という。
一方、景況感は改善傾向にある。今回の調査では15年10~12月期の業績が「好転した(良かった)」という企業の割合から、「悪化した(悪かった)」という割合を差し引いた業況判断DIは、中小企業で11・3(前回調査比0・3ポイント改善)、小規模事業所でマイナス17・7(同4・7ポイント改善)だった。
それでも同支店の小野寺仁史・中小企業事業総括課長は「人手不足の深刻化や、原材料価格の値上がりなどで苦しい面もあり、リーマン・ショック以前の水準に戻ったとは言い難い」と話している。
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