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【愛知】奥三河へ就農移住「満足」都市部から増加

2016/01/13

自治体「希望の星」17日に相談会

 農業や林業に就くことを目指し、都市部から奥三河へ移住する人が年々増えている。新城市と設楽、東栄両町、豊根村を管内に持つJA愛知東によると、2010年以降、36人が名古屋市などから移り住み、新たに農業を始めた。人口減少に悩む市町村にとって「希望の星」的な存在になっている。 (鈴木泰彦)

 ◇ ◇ ◇

 設楽町津具でトマトを栽培する大橋明弘さん(40)は06年、県のあっせんで名古屋市緑区から移住した。高校を卒業後、化学工場に勤務。定年退職した職場の先輩が農業に打ち込む姿を見て「こんな生き方もあるんだ」と思ったのがきっかけだった。

 最初の1年間は地元の農家で研修。20アールの農地を借り、妻の美幸さん(39)と2人で八棟のパイプハウスを建てた。

 「『軌道に乗った』と言い切れるかどうか自信はありませんが、頑張ってここまできました」

 高校3年生の長男を頭に、子どもが3人。「素晴らしい環境で子育てできたのが最大の収穫」と美幸さんは話す。農作業で忙しいときは、近所の人たちが面倒を見てくれた。伝統芸能の「花祭り」にも毎年参加する。

 「頑張れば頑張っただけ農作物は応えてくれる。農業は奥が深いですよ」「地域に子どもを育てていただいた。都会では考えられません」。大橋さん夫妻は津具での暮らしを満足げに語る。

 奥三河4市町村やJA愛知東などでつくる新城設楽地域担い手育成総合支援協議会は17日午前11時~午後4時半、新城市平井のJA愛知東本店3階ホールで「就農林相談会」を開く。

 各市町村とJA、森林組合がブースを設け、農業や林業を始めたい人たちの相談に乗る。参加無料。【問】協議会事務局=0536(22)2300

名古屋市から移住した大橋さん夫妻。背後のパイプハウスは2人が自力で建てた=設楽町津具で
名古屋市から移住した大橋さん夫妻。背後のパイプハウスは2人が自力で建てた=設楽町津具で