2015/12/06
深刻な人手不足となっている介護業界への就職を後押ししようと、県は本年度から「介護事業所人材育成認証評価事業」を始める。研修制度や処遇改善など人材育成への取り組みを評価し、働き続けやすい職場環境を備えた施設に認定証を発行する。高齢福祉課の担当者は「介護現場を目指す人が求職する際の足掛かりになってほしい」と話す。
認証評価を受けられるのは、利用者が介護施設や訪問介護事業所を選ぶときの指標になる「介護サービス情報公表制度」の調査を、任意で受けた事業所が対象。本年度は県内約9000カ所のうち559カ所が受けた。
事業所は、新規採用者の研修制度や育児介護休暇といった職場環境など15項目で評価される。今年4月に介護報酬改定で盛り込まれた処遇改善の加算を実施していることも必要。県はまず50~100事業所を選び、来年3月に認定証を交付する。
県はこれまで、先進的な介護技術を評価する「あいち介護サービス大賞」で介護の質の向上を促してきたが、今回は職場環境に目を向けた。背景にあるのは人手不足と離職率の高さ。公益財団法人「介護労働安定センター」が今年8月に公表した介護労働実態調査では、介護職の離職率は他業種よりも高い16・5%。六割の事業所が職員不足に悩んでいると回答した。
介護労働者側の不満も「人手が足りない」が48・3%でトップ。低賃金に続き、「有給休暇が取りにくい」も34・9%だった。県の担当者は「県がお墨付きを与えることで安心して働いてもらる。労働環境が悪い施設は、改善しないと人材が集まらない。結果として介護サービスの向上につながってほしい」と話している。 (奥田哲平)
転職・求人情報検索(名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県)はトップから