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【地域経済】職場発泣き笑い/安全第一?上司の矛盾 

2015/11/26

 愛知県内のメーカーに勤務する30代のマサさんは入社10年を超える。中堅社員として充実した日々を送りながらも、最近、上司からの矛盾した指示に表情はさえない。

 ◇ ◇ ◇

 4人1組で班を組み、製品の加工ラインに立っています。現場作業ですから、労働災害の危険性といつも隣り合わせの緊張感があります。

 上司は口を酸っぱくして「安全、安全」と念を押してきます。けれど、「安全」と同時に「生産性を上げろ」とも言われるわけです。もちろん会社の利益も大事。気持ちは分かりますが、月末になると、「出荷量を増やせ」という圧力がすごいですね。

 いざ、トラブルが起きると、会社は守ってくれません。無理をした従業員が「悪い」と言われます。

 最近、機械を点検しているときに、重さ約50キロの部品が右腕に落ちました。あまり長時間、ラインを止めたくないから、慌てていたんですね。

 一瞬、骨が折れたかと思いましたが、我慢して会社に報告しませんでした。会社に知られると、原因や対策を問い詰められるので大ごとになります。青あざ程度で済みましたが、家族からは怒られました。

 上には上がいるので「ブラック企業」とは言いませんが、「グレー企業」ぐらいだと思いますよ。