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【社会】面接6月解禁 正式決定

2015/11/21

就活で経団連 大学側受け入れ

 経団連は20日、大学生の就職活動で企業が採用面接を始める時期を8月から来年は6月1日に前倒しすることを正式に決めた。反対していた大学側が20日「決定するのは企業側だ」と事実上受け入れた。

 東京都内で記者会見した榊原定征会長は、馳浩文部科学相と会談したことを明かした上で「大学や政府の関係者と調整を続け、ほぼ理解を得られた」と述べた。馳氏は同日夜のBS番組で「やはり改善が必要かなと考えている」と語った。経団連はことしから面接時期を八月に変更したばかりで2年連続の見直しとなる。

 経団連は企業側のルールとなる「採用選考に関する指針」を改定し12月7日に公表。大学側は、休日や平日の夕方に面接を行うなど配慮を求めており、経団連は指針に盛り込む方向だ。

 現在の大学3年生の活動に適用する。会社説明会はことしと同じ3月以降だが、面接が2カ月早くなる。2年生が活動する再来年に関しては協議を続ける。榊原氏は「学業に悪影響が及んでいるのは明らかだ」と見直しの理由を語った。

 経団連は今月9日に、来年の面接解禁を「2カ月程度前倒しする」と表明。大学などでつくる就職問題懇談会(座長・吉岡知哉立教大総長)が見直しは「拙速」などと批判、馳氏は「朝令暮改」と指摘していた。

 現行の日程変更は安倍政権が成長戦略に盛り込み、経団連が受け入れた。企業や学生に混乱が広がり早期に見直しとなったが榊原氏は「誰の責任といったことはなじまない」と述べた。