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【社会】採用面接6月で調整「解禁破り横行」1年で修正

2015/10/26

経団連、来年の就活前倒し

 経団連は25日、大学生の就職活動日程について、来年は採用面接などの選考活動の解禁時期を8月から6月へ早める案を軸に調整に入った。2017年4月に入社する学生が対象になる。会社説明会などの広報開始を3月、内定解禁を10月とする点は変えない。大企業を中心とする会員企業向けの指針を11月中にも見直す。

 経団連は政府の要請でことしから日程を遅らせた経緯があり、わずか1年で修正を迫られた。企業の「解禁破り」が横行し、かえって就職活動が長引いたと関係者から批判されたためだ。

 前倒しの方針は固まっているものの、6月は3月期企業の株主総会が集中し、選考に当たる役員の時間がないとの異論があり、5月、7月といった選択肢も残る。会員約1300社に実施したアンケート結果を検証して11月9日の会合で方向性を示し、詰めを急ぐ。

 ことしの日程繰り下げには、学生の勉強、研究時間を確保する狙いがあった。しかし、公式ルールで大企業の選考が遅くなったため、中小企業で内定辞退者が相次いだ影響もあり、日本商工会議所は今月15日、面接解禁を六月とする提言を公表。経団連の榊原定征会長は「8月は遅すぎる。どこまで早めるかということだ」と述べ、日商案に理解を示していた。

 会社説明会のスタート時期を変えないのは、既に会場予約などの準備に入った企業が多いことが理由。経済界に要望の多い抜本的な見直しについて、経団連は政府や大学を交えた検討が必要だとしており、早くても適用は18年4月入社の学生からになる。

 経団連はことしから企業の広報開始を大学3年の12月から3月に、面接解禁を4年の4月から8月にルールを変えた。