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【社会】介護休業給付金増へ

2015/10/23

政府、賃金の67%で調整

 政府は22日、家族の介護のために仕事を休む介護休業制度で、賃金の%となっている休業中の給付金を引き上げる検討に入った。先行して引き上げた育児休業と同じ賃金の%とする案を軸に調整する。労使が参加する厚生労働省の労働政策審議会の部会で詳細を詰め、来年の通常国会で法改正を目指す。

 介護を理由にした離職者は年間10万人に上り、政府は新たな看板政策「1億総活躍社会」で、2020年代初頭の「介護離職ゼロ」の実現を掲げている。介護休業は原則1回の取得に限られているため、政府は複数回に分けて取得できるよう既に検討に着手。介護休業の使い勝手の向上と給付金アップで取得を促し、仕事を辞めずに介護との両立を図りやすくする。

 雇用保険から支払われる給付金は、労使が負担する保険料と、国庫負担で賄われる。介護休業中は賃金の40%を受け取れ、取得できるのは家族1人につき最長で93日間。有料老人ホームへの入居手続きや必要なサービスの手配などに充て、職場に復帰する。

 ただ、取得率は3・2%と低迷。給付割合が低く、家計への影響が大きいことも一因とされる。子育てのために仕事を休む育児休業の給付金は14年4月以降、取得から半年間に限って賃金の67%に引き上げられている。政府は介護休業でも同様に引き上げる必要があると判断。一気に67%にせず、まず50%に上げるべきだとの意見もあり、調整を進める。

 介護離職ゼロへ向けて政府は、介護休業の見直しのほか、施設や在宅サービスの整備、不足している介護職員の確保などを進めていく方針だ。