2015/10/20
多くの理系の学生は、実験や研究に追われ、就職活動の時間が十分に取れず、悩みを抱える。名古屋工業大(名古屋市昭和区)では3年前から、企業から内定をもらった学生たちがボランティアで、後輩の就活相談やアドバイスをする「就活・キャリアサポーター制度」を導入し、悩みの解消に役立てている。
現在、キャリアサポーターとして活躍している学生は、学部4年や大学院(修士)2年の学生ら20人。毎週月曜と木曜の午後4時半から6時まで大学会館のカフェ・ブルーメにサポーターが集まって相談を受け、月1回、内定者の体験談を聞き、エントリーシート(ES)の添削をするなどの催しを開いている。相談は無料。
今年の就活はほぼ終わったが、2017年春卒業予定者の就活が早くも始まっている。就職先が決まった先輩の話を聞こうと、相談会場のカフェを訪れる3年生もいる。
カフェでは今月5日に、就活を終えたサポーターの学生8人が集まり、体験を語り合った。「研究室で化学実験が一段落してから、ESを書いた」「研究室にリクルートスーツを持ち込み、実験の合間に企業面接に出掛けた」。多忙な理系学生ならではの体験談が聞かれた。
メンバーで修士二年市木祐輔さん(23)は建設会社に就職する。「春ごろは学会が多く、夏ごろから研究が忙しくなる。就活の期間とも重なり、忙しかった。早めに就活に取り掛かることが大切」と話した。
「インターン(職業体験)で企業に行った際に、採用担当者の目に留まったら有利」と語ったのは、電気機器メーカー内定の修士2年加藤大輝さん(23)。「自分の目で志望する業界を見られるので、積極的にインターンに参加して」と強調した。
就活解禁前から、綿密に準備することの大切さを話すメンバーも。化学メーカーに就職する4年の土本香苗さん(21)は「早めにサポーターの先輩に相談し、ESの添削や、面接の練習をしてもらったのが大きかった」と振り返った。
名古屋大や名城大などには文系理系の学生を問わずに活動する同様のサポーター制度がある。学生同士で情報交換する場が、厳しい就職戦線を勝ち抜く一助となっている。
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