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【くらし】均等待遇へ仕事を数値評価 生協労連正規・非正規の雇用者調査 

2015/01/19

「事実根拠に労使交渉を」

 非正規雇用が増え、正規雇用者との格差是正を求める声は強い。同じ仕事なのに賃金や各種手当に差がつくなど、非正規がリスクを負いながら、正規の処遇が守られる従来の労働慣行が壁になっている。非正規の組織率が高い全国生協労働組合連合会(生協労連、東京都渋谷区)は、職務の分析と評価を足掛かりに、正規との均等待遇を目指して動きだしている。 (林勝)

 ◇ ◇ ◇

 「均等待遇といえば、ひと昔前は正規の待遇引き下げかと反発されたが、空気が変わってきた」。組合員約6万7000人のうち非正規が七割を占める生協労連で、非正規出身で初の中央執行委員長になった北口明代さん(59)は語る。昨年末に開いた組合内セミナーで、均等待遇に賛成する正規職員も多かったという。

 生協では1990年代、正規採用の抑制などで、もともと多かった非正規の割合がさらに増加した。小売りや配送の現場で非正規への置き換えが進み、正規との仕事の質や量が接近。「同じ仕事でなぜ賃金に差があるのか」との意見が現場から強く上がるように。「パートだから安くても仕方がないでは、理由にならない。正規職員にも問題が共有され始めた」と北口さん。

 生協労連は2004年、非正規の待遇改善を中心課題に据えた。08年には、大学研究者の支援を得て職務ごとの価値を点数に表す職務分析、職務評価のための調査を開始。異なる仕事でも同じ価値の労働であれば同じ賃金を払う「同一価値労働同一賃金」の下地をつくるのが狙いだ。

 中部地方では、コープあいち労組(愛知県長久手市)が13年から、正規・非正規の従業員約350人を対象に調査した。食材の加工、調理、発注などからレジ、店舗清掃、衛生管理、設備メンテナンスまで職務を洗い出した。その上で身体的負担や精神的ストレス、必要な知識、技能、集中力などの要素を数値で評価し、職員にアンケートへ記入してもらった。

 全体の集計はまだだが、顧客から直接苦情を受けやすいレジ係、生鮮食料品売り場などの業務で、従来は見落とされがちだった精神的な労務負担が浮かび上がった。

 関東圏の調査では、職務評価点は正規と非正規で大差なかったのに、時給換算の賃金で大きな開きがあった。北口さんは「評価が不十分だった非正規の仕事の価値が見えてきた。賃金制度の違いなど課題は多いが、こうした事実を根拠にした労使交渉で、均等待遇を少しずつ進めたい」と意欲を話す。

 職務評価や均等待遇が進めば、能力に応じて適正に配置され、生産性向上も期待できる。非正規というだけで特定の業務から排除されることがなくなれば、人材の有効活用にもなる。

 「不合理な雇用慣行のままでは、生産性や顧客サービスは向上しない。企業経営にとっても重要」と北口さんは強調している。

【生協労連の正規・パート一体運営】 生協の職場にパートタイム労働が広まったのは1970年代。それ以前は正規雇用者向けの活動が中心だった。74年にパート・アルバイトの組織化を決定し、80年のパート部会設立を機に参加が拡大した。パート組合員が正規雇用組合員を上回った93年以降、均等待遇への機運が高まった。北口明代さんは、かながわ生協労働組合を経て、2000年に生協労連の中央執行副委員長に。12年から現職。

「正規と非正規の均等待遇の実現を」と話す北口明代さん=東京都渋谷区で
「正規と非正規の均等待遇の実現を」と話す北口明代さん=東京都渋谷区で