2008/12/19
県内のホームレスの現状や行政の自立支援策について、大学教授らでつくる「基礎生活保障問題研究会」が調べたところ、県内では今年九月までの四年半で延べ三千百五十一人が生活保護を受けたり職に就くなどしてホームレス状態から抜け出していたことが分かった。世界同時不況で再びホームレスが増加する恐れがあり、県は年度内に新たな自立支援計画を策定する。
同研究会は県の委託を受け、県が本年度までの五年間で行った「ホームレス自立支援施策等実施計画」の評価と、ホームレスの生活実態に関する調査結果を報告書にまとめた。
それによると、県は実施計画期間内で「千五百人のホームレスを自立させる」との目標を掲げ、就業機会や居住場所の確保など十二項目で対策を実施。その結果、三千人以上が自立したという。
県内のホームレス数も二〇〇三年一月の二千百二十一人から今年一月に八百五十一人まで減少。特に名古屋市では千七百八十八人から六百八人にまで減った。
ホームレス状態から自立した延べ三千百五十一人の形態別では、生活保護を受けた人が千九百三十一人で最も多く、次いで就労八百六人、帰郷九十七人、老人ホーム入所八十三人の順だった。
自立した人七十二人にアンケートしたところ、家族・親族との付き合いが「ない」と答えた人が68%を占め、自立後も孤立している実態も浮かんだ。
夏以降の急激な景気悪化を受け、派遣社員らの解雇が相次いでいることから、県地域福祉課は来年度から五年間の第二期支援計画に「ホームレス状態に陥る人の増加を防ぐ施策を盛り込みたい」としている。
(中村清)
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