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【社会】引きこもりの人対象に常設支援拠点 愛知初、東海市が来春開設

2008/11/26

 愛知県東海市は25日、引きこもりの人たちや家族らの居場所や相談所として利用できる常設の支援拠点を来年4月に開設すると発表した。市によると常設型の支援事業は全国でも珍しく、県内では初めての試み。

 長期の引きこもり状態にある市民とその家族が対象で、年齢制限は設けない。市がJAあいち知多横須賀支店(同市養父町)内に借りた一角を改装して仕切りなどを設置し、市社会福祉協議会が事業を運営する。

 開所は週5日以上、1日8時間を予定。引きこもりへの対応についてノウハウを持つ教育関係者や民間非営利団体(NPO)メンバー、保健師ら5人ほどを選任し、相談員、指導員として常駐させる。対象者の状況に応じ、運動や講座などのプログラムを通じて人との接触を促し、将来的には就労支援につなげたい意向だ。

 12月の市議会定例会に、工事費と備品購入費で計990万円の補正予算案を提出。議決後に開設準備を始める。

◆柔軟な対応期待
 ▽竹中哲夫日本福祉大教授(引きこもり支援論)の話 常設の支援施設はあまり聞いたことがない。居場所の役割を持たせることで対象者が相談しやすくなり、支援効果も上がる。年齢制限がないのも評価できる。職員が対象者宅に出向くなど柔軟な対応も取り入れてほしい。