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【福井】「今後の求人あるの?」 高校生の就職内定率、昨年下回る

2008/11/11

 無事に就職できるの-。県高校教育課によると、高校生の就職内定率が、10月末現在で昨年を下回った。株価低迷の影響により、売り手市場といわれていた高校生の就職活動にも、暗雲が少しずつ立ち込めている。

 無事に就職できるの-。県高校教育課によると、高校生の就職内定率が、10月末現在で昨年を下回った。株価低迷の影響により、売り手市場といわれていた高校生の就職活動にも、暗雲が少しずつ立ち込めている。

 「9月の段階で内定をもらった生徒はよかったが、これからがどうなるか不安です」。坂井市の高校の進路指導担当者が声を落とした。同校では既に約9割の生徒が就職先を決めている。担当者は「現段階での内定状況は例年並みだが、今後の求人があるかどうかが問題。求人がきていても、電話をすると『もう求人はしていない』と断る会社もある」と話した。

 不安を口にする県内高校の就職担当者は多く、就職難は数字にも表れ始めている。県内高校生の就職内定率は9月末には61・6%と、昨年より0・4ポイント上回っていたが、10月末では77・6%と昨年比を0・4ポイント下回った。県高校教育課は「昨年までは就職試験に1回落ちても2次、3次募集があったが、ことしは難しいのでは」と分析する。

 設計会社に内定した科学技術高3年の蜂谷祥大(さちお)君は「1回で決めたかったので、人気がありそうな会社は避けた」と話した。

 将来への不安は、内定が決まった高校生にも広がっている。10日に福井市田原1丁目のフェニックスプラザであった就職内定者を対象にしたセミナーでは、景気低迷による雇用環境の悪化が心配されるとの説明があった。現在、県内で内定を取り消された例はないが、セミナーを受ける生徒たちの表情は硬かった。

 (増田紗苗)

景気低迷による雇用環境の悪化などが心配される中、社会人支援セミナーに参加した高校生ら=福井市内で
景気低迷による雇用環境の悪化などが心配される中、社会人支援セミナーに参加した高校生ら=福井市内で