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【愛知】看護師7割慢性疲労訴え 県内病院実態調査

2010/08/06

 県内の病院の労働実態調査で、慢性的な疲労に悩む看護師が7割近くに上ることが分かった。健康状態に不安を抱えたまま勤務している人も6割近い。調査した労働組合の関係者は「人手不足、過重労働、退職、そしてまた人手不足という悪循環を断ち切るには、看護職員の増員や過密労働の軽減が急務」と訴える。

 調査は、愛知県医療介護福祉労働組合連合会(県医労連)が、国公立、民間病院に勤務する看護師を対象に実施。男女1760人から回答があった。

 残業や夜勤が日常的な過酷な労働環境だけに、「疲れが翌日に残ることが多い」との回答が47・8%、「休日でも回復せず、いつも疲れている」が20・1%で、いわゆる慢性疲労を抱える人が67%に上った。

 身を削りながらの勤務だけに、健康状態が「不安」との答えが46・6%、「大変不安」が8%、「病気がちで健康といえない」が2・6%。症状を尋ねると「全身がだるい」「腰痛」「なんとなくイライラする」「憂うつな気分がする」-などの声が上がった。鎮痛剤や睡眠剤など、何らかの薬を常用している人も6割近くいた。

 仕事への意欲では、「辞めたいといつも思う」が20%、「ときどき辞めたいと思う」が57・2%。辞めたい理由(複数回答)は「人手不足で仕事がきつい」(43・9%)、「賃金が安い」(41・3%)、「思うように休暇が取れない」(39・5%)-などが目立った。

 県医労連は9月のキャラバン行動で、県などに「夜勤時間や回数の制限、看護師確保」を要望するほか、街頭で白衣の看護師による署名活動やリレートークを計画している。

 (岩崎健太朗)