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【愛知】働く人の自殺防ごう 県、心のケアや悩み調査へ

2010/05/23

 働く人の自殺を防止しようと、県は企業が実施しているメンタルヘルス対策や勤労者が抱えるストレスの調査に乗り出す。結果の分析や企業の実践例をまとめ、心のケアのすそ野を広げる考えだ。

 県労働福祉課によると、県内の昨年の自殺者は1623人。2003年の1633人に次いで多く、近年は毎年1500人前後の高い水準。全国的調査では自殺した人のおおむね4分の1が勤労者で、自殺原因の4番目に「仕事の問題」が挙がるという。

 職場では仕事の難しさだけでなく、周囲のサポート不足から1人で悩みを抱え、うつ病になるケースも。ただ各企業が心の健康問題にどのように対応しているか調査した例がなく、対応策を講じるため実態を把握することにした。

 調査は、中小を中心とした4000社と労働者6000人を対象に実施。企業には職場の責任者、専門スタッフによるケアの有無や独自の取り組みを、労働者には雇用者や行政への要望などを尋ねる。先進事例を写真やイラスト付きで分かりやすくまとめ、企業などに配る。

 同課の担当者は「業務が手いっぱいで、労働者の心のケアをする余裕がない企業も多いと思うが、職場の雰囲気改善など少しのことから悩みを解決できることもある。効果的な取り組みを探り、広めていきたい」と話している。

 調査は緊急雇用創出事業基金を活用して実施。県は事業を委託する民間企業やNPO法人などを募集していて、その説明会を25日に県東大手庁舎で開く。応募の締め切りは6月11日。(問)同課=電052(954)6359