2010/05/05
農業の担い手を支援しようと、明和町佐田の中古農機具販売「のうき屋」が6月から、町内の新規農業者にトラクターやコンバインなどを無償で貸し出す。中山張男社長(66)は「農業への意欲がある人たちを、少しでも手助けできれば」と力を込める。
新たに農業を始めようとする人で、県知事が許可する「認定就農者」、もしくは町長が認めた場合に無償貸し出しが受けられる。同町在住で、農機具の使用免許を持っていることが条件。
希望者が町に申請し、許可が下りると、のうき屋から機具が借りられる仕組み。中古販売用のトラクターや田植え機、コンバインなどを用意し、使用後には点検・清掃をしてから同社に返却してもらう。
中山社長と妻の豊子さん(63)が4月27日に町役場を訪れ、無償貸し出しの協定書を交わした。中井幸充町長は「町内では農家の高齢化が進み、離農者も多い。この事業で潜在的な担い手を掘り起こせる」と期待を込める。
今回の新規就農者支援事業は、中山さん夫妻が町に持ち掛けた。のうき屋では農機具の販売だけでなくレンタル業も営み、トラクターやコンバインは一日当たり数万で貸し出しており、中山社長は「私たちには何の得もない」と苦笑いする。しかし、半世紀近く稲作を続けてきた夫妻は、農機具の買い替えのたびに頭を悩ませた経験などが身に染みている。
中山社長は「10代のころから農家を続け、苦労は痛いほど分かる。少しでも町内の農業が活発になるよう協力できれば」。豊子さんは「貸し出しだけではなく、アドバイスをするなど、できる限りのサポートをしたい」と語る。支援事業の問い合わせは平日に、明和町産業課=電0596(52)7118=へ。
のうき屋 https://noukiya.co.jp/
(石原猛)
転職・求人情報検索(名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県)はトップから