2010/04/21
2009年に県内で起きた労働災害による死者は50人で、1950(昭和25)年に統計を取り始めてから最少だったことが、愛知労働局のまとめで分かった。担当者は「世界的な不況に伴う厳しい経済状況を受け、発注工事量自体が大幅に減った影響が強く出た」とみている。
同労働局安全課によると、県内の労災による死者は03年に107人だったが、07年には71人まで減少。08年は82人と増えたが、09年は32人減の50人だった。
休業4日以上の休業災害についても、02年以降は7000人台前半で横ばいだったが、09年は大幅に減って6188人となり、過去最も少なかった。
業種別でみると、「トヨタショック」に見舞われた製造業と、住宅着工などが低調だった建設業の減少が目立つ。死亡災害は建設業が08年比60%減(15人減)の10人。製造業も同61%減(11人減)の7人。休業災害も、製造業が同18・4%減(444人減)の1967人で、建設業も同14・2%減(115人減)の693人だった。
死亡事故の類型では、交通事故が15人で3割を占め、墜落・転落が10人、挟まれ・巻き込まれが9人と続いた。事業規模別では、従業員50人未満の事業所での死亡災害が約75%を占めた。
同労働局の担当者は、08年秋のリーマンショック以降、民間発注工事が大幅に減ったことや、民主党政権が公共工事を削減した影響を指摘。「小規模な事業所ほど、悪い条件でも大手の下請け仕事を受注し、作業に無理が出ていると考えられる」と話している。
(鎮西努)
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