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【政治】 ケースワーカー1人に104世帯 全県庁所在市で基準超え

2010/02/17

 長引く景気低迷による生活保護受給世帯の急増にともない、担当する自治体職員(ケースワーカー)1人当たりの世帯数が昨年11月時点で、道府県庁所在市と政令市計50市の平均で約104世帯となり、すべてで国基準の80世帯を上回る繁忙状態にあることが共同通信の調査で分かった。1年前の平均96世帯からも大きく増えた。

 ケースワーカーの仕事は受給手続きや調査、相談や訪問による自立支援など幅広い。負担増により自立に向けたきめ細かい支援が不十分になるため受給世帯の増加につながりかねず、今後負担軽減策が急務となりそうだ。

 調査は、東京を除く道府県庁所在市46市と政令市4市に、2008年11月と09年11月時点の状況を聞いた。

 09年11月時点で最も担当数が多いのは岐阜の133世帯で、大阪の130、名古屋の126、奈良の122が続いた。1年前に比べ、山口(25%増)、福井、岐阜、名古屋(いずれも21%増)などで担当数が大きく増えた。

 特に名古屋はケースワーカーを増員したにもかかわらず受給世帯増に追いついておらず、中京圏での製造業の落ち込みが影響したようだ。

 この間、受給世帯は50市全体で13%増えたのに対し、ケースワーカーの増員は4%に過ぎなかった。08年には担当数の国基準を満たす市が二つあった。80%にあたる40市が全員を増やしたが、人手不足の解消には至らなかったとみられる。担当数が減ったのは、前橋、松山など5市だけだった。
 
 担当者からは「長期病欠する職員も出て、さらに人手不足になっている」など負担増を訴える声が多く聞かれた。