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【福井】高齢者の耕作放棄防げ あわらで「ねこの手クラブ」創設へ

2010/02/09

 地域の農業を支援して耕作放棄を防ぐ「地域農業サポート事業」の研修会が8日、県庁であり、あわら市は2010年度、農家支援に意欲を持つ非農家の人々を組織化した「ねこの手クラブ」を創設する方針を明らかにした。クラブ員の「ねこ」を、農家の要請に応じて派遣していく。

 農業のプロとも言える「アグリサポーター」と比べて、ねこはボランティアに近く、より手軽に、安く頼めるのが特徴だ。事務局の農業サポートセンターが農家から料金を集め、作業したねこに賃金を支払う。

 同市農林水産課の城戸橋政雄参事は「『ちょっと手伝ってほしい』という農家を下支えできれば。サポート事業終了後も継続的に支援できるシステムをつくりたい」と話した。忙しくて「ネコの手も借りたい」という農家への派遣ではなく、あくまでも高齢者などの支援という位置づけだ。

 この日の研修会は同事業最終年度の10年度を前に、市町担当者らが独自のサポート策を紹介し、意見交換する目的で開かれた。

 このほか、越前町は海岸に咲く越前水仙の栽培をボランティアらとともにサポートする態勢を紹介。越前市は企業と連携し、バイオ燃料作物などを栽培して、耕作放棄地再生に取り組んでいる状況を報告した。

 同事業はめぐっては現在、農業サポートセンターを15の市町が設置。計573の集落を支援し、登録したアグリサポーターは660人に達している。

 (渥美龍太)

地域農業サポートに取り組む市町の事例報告を聞く人たち=県庁で
地域農業サポートに取り組む市町の事例報告を聞く人たち=県庁で