県看護協会は、病気や家庭の事情などで休む看護師に代わって、短時間働いてもらう「スポットナース」を無料で紹介する事業を、7月にスタートした。まずは名古屋市医師会と連携して始め、ゆくゆくは県内に広げたい意向だ。同協会の三浦昌子会長は「これまでにない柔軟な働き方で、人手不足の解決につなげたい」と話している。
 慢性的な看護師不足に悩む医療機関は多く、スタッフが少ない診療所などでは、休むと診療に支障が出ることが少なくない。ただ、人材紹介業者に急な派遣を頼むと通常の2倍程度の時給や手数料が必要で、経営に大きく影響する。
 一方で県看護協会によると、県ナースセンターに登録している「潜在看護師」は1万8千人超。育児や介護などの合間に、「好きな時に好きなだけ働きたい」という思いを持つ人も多いという。こうしたニーズと、医療機関側の緊急の人手不足の解消や採用コストの軽減といった思惑が合致し、事業化につながった。
 スポットナースの利用を希望する場合は、看護師、医療機関ともに運営を担当する県ナースセンターに事前登録し、派遣が必要な医療機関は勤務日の原則3営業日前までにセンターに連絡。突然の欠員で緊急的に応募をかけることもできる。時給は2千円で、紹介料は無料。
 8月15日時点で、スポットナースに登録した看護師は285人、医療機関は23施設で、20件の採用が成立した。利用した看護師からは「協会や医師会が間に入っているという安心感がある」、医療機関からは「急な休みにも対応してもらい助かった」などの声が上がっているという。
 名古屋市医師会の山根則夫会長は「看護師を安定して雇用することは、市民に安心して病院に通ってもらうことにつながる。県看護協会との連携をさらに強化したい」と話している。(四方さつき)
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