就職・転職ニュース
【社会】夫婦の働き方 十組十色 広がる「ファミリーキャリア」

2025/08/29
専門家 「話し合い、答え見つけて」

 共働きの世帯が増える中、キャリア形成を夫婦で一緒に考える「ファミリーキャリア」と呼ばれる概念が注目され始めている。どちらかが不本意にキャリアをあきらめるといった悩みの解消につながるとされ、話し合いを機に働き方を見直した名古屋市の子育て中の夫婦は「お互いが仕事に全力で打ち込む基礎をつくれた」と語る。(片岡典子)

 夫婦は加藤未佳さん(33)と大貴さん(34)。長男(3)を育てながら、共にフルタイムの会社員として働く。

 未佳さんは長男が1歳になった後、時短勤務で育休から復帰。当時勤めていた製薬会社の営業職として働き、家庭では家事、育児の大部分を担った。

 復帰から半年ほど、未佳さんは東京本社でのプロジェクトへの参加を上司に打診された。興味のある業務だったが3カ月間は毎週数日、東京に行く必要があった。夫婦で話し合い、迷っていた未佳さんの背中を「良いチャンスだから」と押したのは大貴さん。「子育てを1人でこなせる自信もあったし、妻を応援したかった」と振り返る。

 未佳さんの東京出張中、長男が体調を崩したこともあったが、大貴さんは近くに住む未佳さんの母の助けも借りて乗り切った。この経験が2人の自信となり、未佳さんは職場復帰から1年でフルタイム勤務に切り替えた。未佳さんは「相談もせず無理だとあきらめる人もいるのでは。話し合って良かった」と話す。

 ファミリーキャリアは米誌「ハーバード・ビジネス・レビュー」で取り上げられた考え方で、人生設計を踏まえて夫婦でキャリアを計画することを勧める。一方がキャリアに注力し他方が支える、夫婦がともに自らのキャリアを重視する−など夫婦の働き方を5類型に分けて紹介する。

 著作や講座でファミリーキャリアを紹介する名古屋市のキャリアコンサルタント森数美保さん(45)は、仕事と家庭の状況は変化するため、夫婦が定期的に話し合うことが重要だと指摘。「家族とキャリアのあり方に正解はない。自分たちの答えを見つけてほしい」と話す。

 未佳さんの環境にもその後、変化があった。当時勤めていた会社で希望の仕事をするには東京への転居も考えなければならなかったことから、今年5月に在宅勤務ができるIT企業に転職。「どう働きたいのか、どのように家庭を担いたいのかをそれぞれが考え、夫婦で話し合うことで、子育てしながらでも働きやすくなるのでは」。家族でキャリアを主体的に考えられる社会の実現を願っている。


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