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【社会】心病む教員 休職5200人 11年度2年連続減、負担は深刻

2012/12/25

 2011年度にうつ病などの精神疾患で休職した公立小中高校などの教員は前年度より133人少ない5274人だった。文部科学省の調査。2年連続の減少だが、調査を始めた1979年度の約8倍で、依然として深刻な状況が続いている。

 公立校の教員(約92万人)の0・6%に当たり、文科省は「相談体制の整備が進んだが、多忙化や保護者対応がストレスを生む状況は変わっていない。効果的な予防策を検討していきたい」と説明している。

 精神疾患での休職は、病気休職者8544人の62%を占めた。年代別では50代以上が39%で最も多い。休職時に在籍していた学校での勤務年数は2年未満が45%を占めた。文科省は「異動後に職場になじめず、相談相手が見つかりにくいことが背景にあるようだ」とみている。

 また、子どもとのコミュニケーション力に問題があるなど「指導力不足」と教育委員会が認定した教員は、前年度比40人減の168人。ピークだった04年度(566人)の3分の1以下となり、文科省は、対象者への研修が進んだ結果とみている。男性が74%を占め、年代別では50代の47%が最多だった。

 懲戒処分や訓告などを受けた教員は4319人で前年度より15人増えた。理由の内訳は、交通事故が2606人で、そのうち飲酒運転が84人。他に体罰が404人、わいせつ行為が170人など。

 ◇ ◇ ◇

◆教頭・主幹から一般教諭へ 目立つ希望降任
◆11年度216人
◆指導的立場に重圧?

 全国の公立小中高校で、校長や教頭・副校長、主幹教諭が一般教員などに自主的に降格する「希望降任制度」を2011年度に利用したのは216人に上った。09年度の223人に次いで過去2番目に多い。文部科学省は「指導的立場になって重圧に耐えられなくなるケースがあるのではないか」とみている。

 理由の内訳は、精神疾患を含めた健康問題が42%、「子どもとじかに接したい」など職務上の問題が33%、家庭の事情が21%などだった。

 校長らを補佐する立場の主幹教諭から一般の教諭になったケースが最多の116人。「教頭・副校長から教諭」が76人、「校長から教諭」も6人いた。

 今年4月時点で退職後に再任用されて教諭として勤務しているのは1万2,366人。前年より1000人以上増えた。

 団塊世代のベテランが大量退職しており、定年後も学校現場を支えている実態が浮かんだ。校長や教頭から一般の教諭に再任用されるケースも目立つという。


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