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【暮らし】印象アップ、まずスーツから 衝動買い厳禁

2017/04/26

 陽光まぶしい4月。入社や異動で心機一転、新しい仕事を始めた人も多いだろう。顧客や上司の信頼を得て、デキるビジネスマンに見られる近道は何か。「第一印象を制する服装に気を配ること」。著名な経営者や政治家、芸能人ら2万人以上の男性の服装を指南してきたファッションスタイリストジャパン(東京都港区)社長西岡慎也さん(37)は、そう語る。西岡さんが考えるスーツの着こなしとは-。

 埼玉県内に住む中学校教諭の男性(40)は3月、新年度からの仕事に備え、国内有名ブランドのスーツ2着を計約八万円で購入した。セール価格とはいえ、これまで購入していた量販店のスーツの2倍以上の金額だ。

 「職場で中堅になり、若手を引っ張る機会が増えてきた。センスのない格好で人前に出たくない」というのが動機。それを知った同じく中学校教諭の妻(37)は「私はスーパーで娘の卒園式用の服3点を1万3500円で買った。出費は親の服より子どもの習い事の方が優先よ」と、不満をぶつけたのだが…。

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 この例で西岡さんが肩を持つのは夫の方だ。「男性はスーツを5年、6年と着る。良いものなら1着10万円ぐらいの出費は必要」。確かに値は張るが、質が良いと長持ちするので結果的には経済的だという。

 そもそもスーツの着こなしが大切なのにはワケがある。西岡さんは「印象の半分以上は外見で決まる。声や話し方、話す内容よりも、相手の第一印象に大きな影響を与える」と説明する。

 「顔や手を除いた人の外見はほぼ服が占めるのだから、ビジネスマンの場合はスーツ姿に気を付けることが印象アップの最大の方法です」と西岡さんは言う。

 基本的なスーツの着こなし方のポイントはイラストの通り。ネクタイやポケットチーフなど、小物でも印象が変わる。

 西岡さんによると、服選びには、その服を着てどうなりたいかをイメージすることが必要という。その際、プロである店員の意見をよく聞くこと。衝動買いは厳禁だ。

 「ファッションはビジネスにもいい影響を与える」と西岡さん。相手に好印象を与えることで、「自分に自信がつき、ポジティブに活躍できる」。

 その上で、ファッションセンスを磨くには、プライベートもおしゃれをして楽しむことが必要という。西岡さんは「たまには高級ホテルのレストランなど気後れして行けなかった場所に出向き、その場にふさわしい自分になろうとする」ことも勧める。

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 ちなみに冒頭で紹介した男性教諭の妻は、実際に新しいスーツを着た夫を見て「ぴったり体に合って似合っている。いいものはやはり見て分かるし、本人の気分が上がるのも分かる。もう怒らないことにします」と気持ちが変わったそうな。

 (白鳥龍也)