2014/06/07
愛知12.3% 全国下回る
政府系金融機関の日本政策投資銀行(政投銀)東海支店は6日、愛知県を中心とする中部地方の企業で女性登用が遅れているとするリポートを発表した。トヨタ自動車をはじめとするものづくり集積地だが、リポートは女性の活躍の場が限定的なままでは、首都圏などへ人材流出が進む恐れを指摘。「企業の競争力低下を招く」と警告している。
女性の労働力活用は政府の成長戦略にも掲げられている。しかしリポートによると、愛知県で2012年の課長級以上の管理職に占める女性比率は12・3%で東京都の15・8%、大阪府の15・7%に水をあけられ、中部九県はいずれも全国平均の13・4%を下回った。岐阜(12・0%)、三重(12・1%)、静岡(8・3%)の各県も振るわず、石川、滋賀両県は8・0%で全国最下位。1位は高知県の21・8%だった。
リポートは愛知県を例に、男女の平均勤続年数の差が大きいと指摘。男性の勤続年数は全国トップの14年6カ月だが、女性は全国平均を約1カ月下回る9年で、この差が女性の昇進の障害になっていると分析する。主力の製造業の技術職でも「リケジョ」(理工系の女性)の登用が遅れているといい、出産後の就業を支える子育て支援でも保育士の数が不足。愛知県の人口1万人当たり常勤保育士数は12年10月時点で全国ワースト4位だった。
一方、13年に愛知県から首都圏に転出した女性は1万3754人で、転入を3246人上回った。転出超過の人数は07年よりも470人(16%)増えた。
政投銀東海支店の遠藤業鏡(かづみ)企画調査課長は「愛知県は保守的な土地柄で、女性を活用する成長ストーリーが描けていない。多様な人材を登用する環境整備が不可欠だ」と話している。
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